Daily Tapestries

藻掻く日々の記録

母の愚痴がしんどい

多分どこにでも転がっている問題なのでしょうけど、例に漏れず母の愚痴がツライ。

そして母の愚痴は例に漏れず自分の旦那のこと。

最近のむかついた旦那(私にとっては父)エピソードを披露されるのがキツイ。

母の、父の愚痴、つらい。

私の半分は父でできているのだから、その半分のことを悪く言われるのはきつい。第一私は父が好きだ。木訥で実直で、大好きだったお祖父ちゃん(故人)に笑顔がそっくりで、娘煩悩。仕事も尊敬しているし、患っている病気がこれ以上悪くならないよう、心配もしている。

私が母のことで本当に辛かった時に、唯一家族の中で夜中まで話を聞いてくれた人が父だ。

でも父は家事が得意でない。田舎のお坊ちゃんで育ったし、仕事は激務だった。

典型的な「何も出来ない夫」だった。還暦を超えて、やっと電子レンジの使い方を覚え、風呂掃除ができるようになったレベル。

それでも私は好きだ。

母の愚痴の内容はどれも、そりゃ理不尽だねえ…お父さん困ったねえ…と思うことばかりなのだけど、それを口にしたくはない。

「ひどいね」と口にすれば最後、でしょでしょ分かるでしょ!?腹立つよね!?あのね他にもこんなことがあってああそうあんなこともあった……って始まってしまうから。

ばっくり口を開けた空っぽの、愚痴用ゴミ箱認定されてしまうから。

決して感情的に「分かる!」とか「そんなの理不尽!!」とか言わないよう、注意を払って「へー…そうなんだー…ふーん」とか言っている。

否定も賛同もしないですよー興味ないですよーって感じになるように努めている。

でもそれがつらい。しんどい。声のトーンはお坊さんでも心の中は大嵐。

聞きたくないの。お母さん、お父さんの悪口言わないで。

 

ちなみに、父から母の愚痴を聞いたことはない。一度だけ聞いた気もするけど詳しい言葉は覚えていない。それくらい印象が薄かった。対して母は濃い愚痴を投げてくる。

私はこれが不公平に感じられてならない。お父さんだって愚痴を言って良いんだよと言いたいくらい。なぜ母の愚痴ばかりなのか。父だって愚痴っていいのに。

それはそれで私が潰れてしまうのだろうけど、なんか母ばっかり愚痴って、ずるい。

…と思うから、絶対に母の愚痴に賛同しない。ごくたまに凄くしつこい時「こまったねー(棒)」とか言うけど、気持ちを込めないようにしているつもり。(しんどい)

 

もう一つ困るのが、私は今後結婚を控えているということ。婚約者は1人暮らしの経験があるので、ある程度家事が出来る。掃除が得意だし、私が料理をしていると「なんか手伝う事ある?」とか言って台所に入ってくる。

父はそれらができない。仕事一辺倒の人なので家事らしい家事がほとんど出来ない。そのことを母に愚痴られると何とも言えない気持ちになる。

どう言えばダメージが少なくなるのか分からない。

「お父さんは家事苦手だよね」→「そうなのよ!もうホント困る!こないだもね…(略)ちょっとは覚えて欲しいわ…」になりそう。

そしてアドバイスしたって「そんなの絶対無理」が返ってくるんだろうし、こちらの相手について話しても「あんたはいいわよねえ~」になるんだろうし。

 

家事以外の愚痴もプラスされてウンザリしてくると、どういう訳か「もうこれ、私からも自分の相手のウィークポイント提供した方がいいんじゃね?その方が共感してもらえてスッキリ!ハイ終わりになるんじゃね?」って気分になってきて、本当に仕方なく「ああ…まあ、○○君もそういうとこあるよ…」って返したりする。

それで「ハイ共感得られましたー!終わり!」って上手くいく時もあれば「でしょでしょ!他にもね…」ってスイッチになってしまう時もあって、もうどうしたらいいか分からない。

たまに「男の人はさ~」とか始まる時もあるけど、父以外と付き合ったことがない母に言われてもねえという感じ。私だって母のことを言えないけど「男ってのは」なんて主語をデカくして男性について何かを語ろうとは思わない。

 

ていうかそもそも、これから結婚生活を始めようとしている娘に、自分の旦那(父)の愚痴を言うって何なんだろう。

あんたもいずれ旦那にこんな愚痴を持つようになるのよっていう教えなんだろうか。

 

割と真面目なトーンで「色々言ってるけど、娘の立場としては母から父の愚痴なんて聞きたくないものよ」と伝えてもダメ。「だって聞いてほしいんだもん」。

手先が器用で多趣味で友達も多いのに、なぜ娘に言う。なぜ結婚前の私に言う。なぜ芳しい反応をしない私に言う。

 

母からの誘いはなるべく逃げるようにしているものの、まだ身が落ち着くまでは完全に切ることも難しい状況で、3回に1回はお茶に付き合って父への愚痴を聞く。

だけど自分のアパートに帰ってくると自分の中の何かがゴッソリ削られていて、しんどいしんどいの塊になってしまう。それまで上手くいっていた趣味も人付き合いも、作ろうと思っていた料理も読もうと思っていた本も、気概からぺしゃんこにされた気分でどこかに吐き出したくなって、こうして散文を書く。

今は携帯にメールが来ると、ウッ…となってしまう。母じゃありませんように…母じゃありませんように…と祈りながら開いてみると、母。

メールが怖い。通知が怖い。着信が怖い。母だったらどうしようと思って、怖い。

数ヶ月に1回あるかないかの母からの着信が怖い。なんか色々抉られすぎる。

LINEはハナからやる気がない。もし今後やるとしても、IDだか何だかは教える気も無い。

両親共に持病があるゆえあまり無碍にもできないし、無碍にしてしまったら今度は自分が罪悪感で苦しむことになるから、許容できる範囲で相手をしたい。でもやっぱり上手くいかない。

母は愚痴ってスッキリ!私は罪悪感に襲われずにサッパリ!そんな魔法はないものか。

また、愚痴ばかりじゃないのもくせ者だなあと思ってしまう。人生の先輩的な話は貴重だなあと思う。そこにあるのは父に対する好意や尊敬とほぼ変わらないのに、「父の愚痴を言う」というオプションが追加されることによって、帳消しになってしまう。

もういい大人なのに情けない。こんなので結婚して大丈夫なんだろうか。そんな気持ちになってくる。